寂しがり屋には愛情を。
「喧嘩ってさ、別になんにも考えなくてもできる事だと思ってるでしょ?
でもそれって、ただの暴力なんだよね。
そんな、おもしろ半分でやるような意味のない喧嘩ならやるだけ無駄だよ。
残るのは痛みと虚しさだけ。それは自分でもわかってんだろ?」
「やっぱ、説教じゃねーかよ…」
「わぁ確かに!
でも、ちゃんと聞いてくれたね!ありがとう。」
「…なんなんだよあんた。今真面目モードじゃねーのかよ。」
「うーん?まぁね。先生切り替え得意だから!
今日は君たちの話を聞けただけでも良かったと思うし、堅苦しい事一気に言われてもプレッシャーになっちゃうでしょ?
これからいくらでも時間はあるんだから、ゆっくり行こうじゃないの。
あたしでよければいくらでも話聞くし。」
それにもう昼休み終わっちゃうしね!
教師として、授業に遅刻させるわけにはいきませんから!
「センセ、ありがとう。」
「また、来る、…かもしれないから、ちゃんといろよ。」
「うん。いつでもおいで。」
少し口元を緩めた武藤兄くん。
こんな顔は初めて見る。
暗い眼は、なくなった。