寂しがり屋には愛情を。

「先生、なんかすいませんでした。いきなり押しかけちゃって。迷惑でしたよね?」



キッチンに移動すると、会長くんが申し訳なさそうな顔で言った。


うん。まぁ、確かにビックリはしたし、迷惑か迷惑じゃないかを聞かれたら迷惑なんだけど、



「みんなが楽しそうならそれでいいかなとも思うのは、やっぱおかしいかな?」




今までケンカをふっかけられてばっかりで、危険人物扱いされてた西野くんとひぐち君。


みんなに憧れられて、優等生の仮面を常に付け続けなければいけなかった会長くん。


自分の居場所を、自分の意味を探してケンカに明け暮れた武藤くん。



バラバラだったみんなが、あたしを介して仲良くなれたなら、あたしは教師としてそれで充分幸せだ。




「先生は優しすぎるんですよ…。なんでオレたちなんかのためにそんなに想えるんですか?」



「それはまぁ…あたしが教師だからかなぁ…?よくわかんないけど、みんなが楽しいのが嬉しいよあたしは。」





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