寂しがり屋には愛情を。

「電話してきます…。」



また寝室に入って携帯とにらめっこをする。

……はぁ、なんでこんなこと…ヴーヴーヴー にぃ?!


にらめっこをしているとディスプレイに【着信 凌斗】の文字。


「も、もしもし!」

「おぉう出るの早いな。びっくりしたわ。」


それはこっちのセリフだよ!
こんなところで以心伝心っぷりを見せないでくれよ!



「り、凌ちゃんさん、なにか用事でしたか?」


「あー、今日も武藤さん家くるらしいからさ、それの報告。」


「……マジですか!」


武藤さんがくるってことは、もはや保護者が来るようなもので、あいつらも勝手なことはできなくなるんじゃないだろうか?


それってすごい助かる!



「……なんでそんな喜んでるわけ?」



「あ、あのですね、凌ちゃんさん!

今、ちょっと非常事態が起こっていまして…」


「非常事態?!」


「あ、非常事態ですけど、そんなに危なくはないって言うか、生徒たちがご飯を食べに家に来ちゃったんですよ。』



ね、非常事態でしょう?



< 208 / 258 >

この作品をシェア

pagetop