寂しがり屋には愛情を。
「電話してきます…。」
また寝室に入って携帯とにらめっこをする。
……はぁ、なんでこんなこと…ヴーヴーヴー にぃ?!
にらめっこをしているとディスプレイに【着信 凌斗】の文字。
「も、もしもし!」
「おぉう出るの早いな。びっくりしたわ。」
それはこっちのセリフだよ!
こんなところで以心伝心っぷりを見せないでくれよ!
「り、凌ちゃんさん、なにか用事でしたか?」
「あー、今日も武藤さん家くるらしいからさ、それの報告。」
「……マジですか!」
武藤さんがくるってことは、もはや保護者が来るようなもので、あいつらも勝手なことはできなくなるんじゃないだろうか?
それってすごい助かる!
「……なんでそんな喜んでるわけ?」
「あ、あのですね、凌ちゃんさん!
今、ちょっと非常事態が起こっていまして…」
「非常事態?!」
「あ、非常事態ですけど、そんなに危なくはないって言うか、生徒たちがご飯を食べに家に来ちゃったんですよ。』
ね、非常事態でしょう?