寂しがり屋には愛情を。
「じゃあ行きますかー。」
ひぐち君を先頭にぞろぞろと家からでて行くみんな。
…全員出たのを確認して、鍵を閉めて締め出したらどうだろうか。
そうすれば晴れていつも通りの食卓に…
「先生、鍵ちゃんと持ちました?閉めますから貸してください。」
…なんで会長くんが最後尾にいるんだ。
さりげなく後ろに回られたぜ。してやられた。
「あ、あたしが閉めるから、会長くん先行ってていいよ!」
「…とか言って締め出されたりしたらたまらないので、オレが閉めます。」
なんでバレたんだ…。
会長くん読心術会得してるんですか?
いつもいつもあたしの心の中読み取りすぎじゃないですか?
「センセー早くしねーと置いてくぞー。」
「みんな待ってますし、行きましょうか。鍵、貸してください。」
…たまに会長くんの笑顔が怖いと思うんだ先生。
何でだろうね。
やっぱり有無を言わせない迫力のせいかな。
あ、迫力じゃなくて圧力か。
そして今回もこちらに手を差し出す会長くんの手に上に、おとなしく鍵を置いてしまうのです。