寂しがり屋には愛情を。
「なんでもいいけど、オレは染めないからな。」
「なんで?黒髪男子素敵じゃないの。あたし好きだよ?」
「お前の好みは聞いてねーよ。だいたい、他のヤツは何も言ってこないんだから問題ねぇだろ。」
なんか同じようなことをひぐち君も前に言ってたよなー。
他の生徒には校則だからって強く言うのに、こいつらには目をつぶるって意味わかんねーよ。
どーせ殴られるとか思ってるんだろう。
…確かに殴ることもあるかもしれないが。
「あたしはそう簡単に許しませんよ。地毛じゃないなら黒に戻しておいで。」
「やだ。」
「やだって言わない。なに、なんか金髪じゃないといけない理由でもあんの?」
「…目立つだろ、金髪だと。」
「そうだね。…で?」
「目立つとケンカ売られやすいだろ。」
「…君たちのケンカ事情はよくわかんないけど、うちの学校だったらそうかもね?」
「だからだ。」
「…あんたね、そんな理由なら明日にでも黒染めしなさい。」
ケンカ売られたいがために金髪にしておくなんて、変な理由だ。
今までのこいつには確かにケンカが必要だったのかもしれないけど、今はもういらないだろ?
なら金髪である必要もないはずだ。