寂しがり屋には愛情を。
「デートですよ?少なくともオレはそう思ってますから。」
なんとまぁ恥ずかしげもなくさらっと言いやがるなぁ…
あたしなんかとデートしても楽しくないでしょうに。
「つ、翼がそう言うなら、仕方ないな!先生がんばっちゃうわ!」
「先生じゃないですよ、のぞみさん。」
のぞみさんって…なんか呼ばれたことないからこそばゆい!
いっそ呼び捨てとかの方が開き直れるのに!
と言う具合で1人うがうが悶えていると、隣の会長くんはとても楽しそうに笑っている。
「翼はいじわるだ。」
「そんなことありませんよ。」
…会長くんの方が大人びて見えるのはなんでなんだろうか。
あたしが子どもっぽ過ぎるのか?
「翼があたふたしている姿を見てみたい。」
「なんですか唐突に。別にオレがあたふたしなくても、その分のぞみさんがあたふたしてくれるでしょ?」
「あたしは、いつもあたふたしてるから
面白くないだろ?翼があたふたするから面白いんだよ。ね?」
「ね?って言われましても。」
会長くんはいつだって冷静沈着で自分のペースを乱さないもんなー。
どうやったら会長くんのことポーカーフェイスをくずせるのか…
あとでひぐち君にでも聞いてみようかね。