寂しがり屋には愛情を。

「翼になにしてたの?」


会長くんからカゴを受け取り、横に並んだひぐち君がのんびりとそう聞いてきた。



「んー?あまりに会長くんがあたふたしてくれないもんだから、いろいろ仕掛けてたんよ。…失敗に終わったけどな。」



「あー、そういうことならつばさは確かに手強いねぇ。」



「ひぐち君は、なにか会長くんの弱点を知らないかい?」



「うーん、たぶんね、センセーがギューて抱きつけばそれでオッケーだと思うよ。一発KOなんじゃない?」



「嘘だぁ。そんな簡単に行きますかね?」


「あとで試しにやってみたら?面白そうだし。あ、でもセンセー彼氏さんに怒られちゃうか?」


「あー、…いや、うん。あたしが怒られるならまだいいけど、会長くんに被害が行きそうで怖いな。」



「センセーの彼氏さん、怒ると怖いの?」


「うーん、本気でキレてると怖いな。今日ももしかしたら怒られるかもしれん。ちゃんと説得するけど。」


「オレらがいるから?オレからも彼氏さんに謝ろうか?」


「…ひぐち君はいいヤツだなぁ。いつもなんやかんや言いながらフォローしてくれるのはひぐち君だけだよ。」



他の三人は面白がることしか考えてないからなぁ。


その点ひぐち君は、一言多いという事を含めても、素直だし、言えば頑張るし、良いヤツだ。


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