寂しがり屋には愛情を。

「…卒業しても遊びにきてね。」


「やっぱり淋しくなっちゃったんじゃんー!センセーかわいいー!」


「…遊びにきてくれないの?」


「…遊びに行くよ。センセーに会いに行く。というか、卒業なんてだいぶ先の心配、今しても無駄じゃない?」


「甘いなー。来年の3月でしょ?あっという間だよ?」


高校生の時間の流れと、社会人の時間の流れはたぶん違うと思う。


あたしは高校卒業してから、大学卒業するまでの4年間は今までにない猛スピードで過ぎて行ったような感覚だった。


高校生のころはどうだったかなー?


のらりくらりと生きてたから、人よりはゆっくりだったかもしれない。



「そんなにオレらに卒業してほしくないのー?」


「当たり前でしょ?あたしの教師人生で関わりを持った1番最初の生徒よ?あんたら。」



教育実習の時に受け持った子たちも、もちろん大切な生徒だ。

でも、あれはあくまで学生で実習。


ちゃんと教師として独り立ちしてから出会った彼らが、あたしにとって特別にならないわけがない。





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