寂しがり屋には愛情を。

「なんか、オレら恥ずいね。」


「うーん、確かに青春してるなぁって感じの気恥ずかしさはあるね。」



目を見合わせて、どちらともなく笑い出す。

なんて平和で、なんて穏やかな時間なんだろうか。



「卒業のことは、時期がきたら考えよう。今はとにかく残りの時間を楽しまなきゃね!」


「勉強もな!」


「それはヤダ!」



アホみたいに勉強だイヤだ勉強だイヤだと繰り返していると、お菓子が陳列されている棚の前に、でかい図体でしゃがみ込む影を見つけた。



「ツバサ、そろそろ交代だよー。」


「おー、やっと回ってきたか。」


「バトンターッチ!じゃ、楽しんでー」


そう言ってカゴを西野くんに押し付けてひぐち君は行ってしまった。

今まで気にしてなかったけど、先に終わった2人はどこで待ってるんだろ?

フラフラしてるっては言ってたけど、帰るときちゃんと集合できるんか?



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