寂しがり屋には愛情を。
「彼氏さん、センセーとケンカしたらまたオレらが慰めてあげるんで、心配いらないですよ☆」
「……慰める?また?」
ひぐち君がキレイなウインク付きでそう言うと、急に声を落とした凌ちゃんさん。
……ひぐち君は煽るのが上手だなぁ。
「その話もっと詳しく聞かせt……」
「はーい、ご飯の準備が整いましたよー各々席に座りなサーい。さっさと座らない人にはご飯はありませーン。」
見事に煽られた凌ちゃんさんは絶対零度の笑顔でひぐち君を脅しにかかるも、たぶん長くなるであろうその攻防を見る時間がもったいないので強制的に終了させてもらう。
あたしの言葉に、ひぐち君はすぐに反応して凌ちゃんさんの前からすり抜け、テーブルに料理を運んで行った。
会長くんと西野くんも素直にそれに続き、キッチンに残ったのはあたしと凌ちゃんさんの2人。
「なんだって情けない顔してますね。」
「だって……のぞみが変なところで話し切るから余計怪しいと思ったら悲しくなってきたんだもん。」
「いい大人がモンとか言わないでくださいよ。別に何もないですよ。一緒にラーメン食べに行ったくらいです。」
「……それ何もなくないじゃん。」
「他の女の人と散々ご飯に行ってた人に言われたくないですねー。」
「お、俺の方は本当に何もないから!潔白だよ?!」
「なに必死になってんですか。別に今さら疑ってなんかいませんよ。ただ、あたしの方も凌ちゃんさんと同じように何もないですってことを言いたかっただけですよ。」