寂しがり屋には愛情を。
「え、あ、はい!大丈夫には大丈夫ですけど、ちょっと状況が把握できてないですね!」
声をかけると弾けたように話し出す武藤さん。
まぁ弟が高校の先生の家にいて、さらにそれが同僚の家となると話はややこしくなるわな。
でも、あたしが武藤くんのこと知ってるってのは知ってたはずだし、武藤くんも兄貴があたしの家来たことあるってことも知ってるはずだ。
第一、武藤くんは武藤さんにここの場所を教えてもらったんじゃないのか?
「いや、だから、オレが先生の家にいるのがなにか問題でも?」
「問題大有りだろ?!お前が行くわけじゃないって言ったから場所教えたんだぞ?!てか、教師の家なんかわざわざ行くわけないだろって言ってたじゃん!!」
「あーうるせぇな。こいつらが行くって言ったからついでについて来ただけだろ。」
「結局お前来てんじゃん!絶対最初から来るつもりで聞いただろ?!」
「……だったらなんだよ、先生の家行きたいから場所教えろって言ったらお前は教えたのか?」
「教えるわけないだろ!」
「じゃあ嘘ついて聞き出すしかねーじゃねーか。」
「お二人とも、一旦落ち着きましょうか。」