寂しがり屋には愛情を。

「夏芽といい武藤さんといい、お前は兄弟での言い合いが絶えないやっちゃなぁ。」


「それはこいつらがうるせーからだろ。」


「それだけ気にかけられてるってことだ。よかったな。」



言い合いになるのは相手のことを思っているから。

どうでも良い相手ならケンカにすらならないはずだから。



「武藤さん。もう来ちゃったものは仕方ないので、ご飯食べません?」


「え、希美さん軽すぎやしませんか?」


「通常運転です。さぁさぁ食べましょうかねぇ。……凌ちゃんさーん、早くこないと本当にメシ抜きになりますよー!」



いまだ姿が見えない凌ちゃんさんは、きっとスーツを掛けに行った寝室でブツブツ言ってるんだろう。



「来ませんね?オレ、呼んできましょうか?」


「……いや、あたしが行くよ。会長くん、ありがとうね。」


凌ちゃんさんたちが来たからか、少し優等生バージョンの会長くんの申し出を断り、凌ちゃんさんのもとへ。




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