寂しがり屋には愛情を。

ーーー


あの後、みんななんだか浮かれ気分で夕食を食べ終わり、「あとはお若い2人でごゆっくり」とわけのわからない気の遣い方をしたみんなは、びっくりするほど大人しく帰って行った。



「またくるね」と言った西野くんに「もうくんな!」と大人気なく言い放つ凌ちゃんさんに、頭を抱えてしまう。

高校生相手に何をやっているんだこの人は。



「凌ちゃんさん。」

「んー?」



玄関でみんなを見送り、そのままそこで話し始める。

こう言うのは早い方が良い気がするから。

怖気づく前に、済ませてしまおう。



「あたしと…」

「ちょ!ちょっと待ったぁ!!」



あたしの言葉を見事に遮り、寝室の方に走っていった凌ちゃんさん。



え、このタイミングで置いてけぼりですか?







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