寂しがり屋には愛情を。
寂しがり屋さん。
ーーー
「センセ、初夜はどうでした?盛り上がった?」
「ひぐち君や、なんでそんな楽しそうなんだお前。」
先生は悲しいよ。
「だってー、気になるじゃん?大好きなセンセーが幸せになった日だよ?」
「本当に君は口が上手いな。」
「で、どうだった?」
「そんな笑顔で聞いたところで教えるわけないだろうが。この変態め。」
次の日の放課後、いつものように空き教室に行くと、中にはひぐち君、西野くん、会長くんの3人。
武藤くんは今日はお休みのようだ。
「先生、本当におめでとうございます。」
「結婚式呼べよ。」
最初にあった時のような控えめな優等生笑顔の会長くんと、どうもぶっきらぼうな西野くんに思わず笑顔がこぼれる。
「なーに2人とも寂しそうな顔してるわけ?」
「さ、寂しそうな顔なんてしてません。」
「寂しくねーよ別に。」
「あのねー、2人とも結婚してセンセーが構ってくれなくなっちゃうんじゃないかーみたいな心配してんだよーたぶんだけど。オレもそう思ってるしね!」
「和樹、余計なことを言うな。」
「…オレはそんなこと思ってないからな。」
…みんな可愛いとこあるじゃないの。
こんな可愛い生徒たちのこと構わなくなるはずがないのに。
「先生はそんな寂しがり屋さんなみんなが大好きよ!そんな心配しないで、勉強勉強!!」
「「寂しがり屋じゃないし!!」」
はいはい。可愛い可愛い。