寂しがり屋には愛情を。

―――

「はい、次ここやろうか。」

「わかりません。」

「少しは考えようね。」

「わかりません。」


「即答すんなや。自分で考えねーと覚えるもんも覚えらんねーぞばかやろー。」


おっと、つい口が滑ったね。あは。



「センセーこわーい。口悪ーい。」



うるせーよこのやろー。



「のぞみセンセーいるー?」


空き教室を占領していただけなので、普通に入ってくる他の生徒たち。


まぁ西野くんがいるとわかったら即出ていきますが。



「ここにいますがどーしましたか?」


「…ツバサに勉強教えるって噂、ホントだったんだ……。」



あらやだそんな噂広まってんのかい。



そんなの…有名になってしまうじゃまいか!!


地味に目立たない教師生活を送るつもりだったのに!


初日でだいぶその予定は狂ったけどね!!



「で、ご用件は?」



あ、そういやこの子西野くん見ても出ていかなかったね!


まぁ、見た目からして同業者なのかなとは思ったけど。




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