寂しがり屋には愛情を。
「…別に、好きでここ選んだワケじゃねーよ。
親に無理やり受けさせられただけ。」
そう言ったひぐち君はやけに冷めた表情をしている。
みんな、なんかしらの事情があんだよな。
のらりくらり生きてるあたしとは違って。
「それじゃ、仕方ないか。」
「へ?」
「だってさ、無理やり入れられたとこの校則なんて破りたくもなるよな。
親への反抗心とか、そーいうのはあたしがどうこう言って解決するもんでもないし。
てかむしろ何も知らないで偉そうにしてごめんね?」
ね?っと首をかたむけると、なにか言いたげなひぐち君と、下を向いて笑いを堪える西野くん。
「いや、あの、…うん。」
「あ、でもさ、高校出て、大学とか専門とか行けば色んな髪に出来るんだよ!
あたしの知り合いはね、真っ赤ッかだったよ!
あと、もうそれ白だろってくらいブリーチした奴とか、金と黒のツートンとかー…」