寂しがり屋には愛情を。
「ま、これから人生長いんだからさ、高校最後の1年くらい短いもんよ。
校則破りたい気持ちもわかるけど、今は黒髪にしておいて損なことはないと思うよ。
それに、ひぐち君、黒髪すっげー似合いそうだし!」
な!!っと笑いかけると、コクンと頷くひぐち君と、隠そうともせず爆笑する西野くん。
なんでコイツはさっきから笑ってンだ。
「こら西野。さっきの問題解けたんか?」
「ん、全然わかんなかったから教えて。」
まだ目に涙をためてヒーヒー言いながら教科書を向けてくる。
教えてだなんて…かわいいところあるじゃんよ!
「オレ、今日は帰るね。用事できたし。」
「そっか、気を付けてねー。」
ひぐち君が出ていくのを見届けると、また西野くんが笑ってる。
だから、なんだっつーの。
「のぞみセンセ、すげーね。和樹をも従えるとは。」
「は?何て??」
「んーや、明日が楽しみだー。」
翌日。
ひぐち君が爽やか黒髪で登校したことに学校中が騒ぎ立てた。
……ひぐち君も有名人クラスのヤンキー君だったんだね!!