寂しがり屋には愛情を。
“西野ツバサへ”
白いシンプルな封筒の中央に、丸っこい可愛い字で小さくそう書いてあった。
ひっくり返すと、右下にさっきと同じ字で“3ー1 武藤夏樹より”
…………ん?
「中、見ていい?」
西野くんを見ると真剣な顔でコクンと頷いた。
パラッ
“西野ツバサへ
今日の放課後、旧駐輪場に来い。”
それはそれは可愛らしい字で綴られる手紙。
内容は乱暴なことば遣いのはずなのに、その字と綺麗な便せんの影響でどう見ても女の子が書いたもののように見えた。
しかも差出人の名前が武藤“夏樹”、封筒と便せんは新品でキレイ。
…これは女の子からと判断しても仕方ないかな。
「オレは悪くないだろ?」
「…うん。残念ながら君にも非があるね、金髪くん。」
ドアのところで立ち尽くす金髪くん改め武藤夏樹くんを見ると、顔を真っ赤にさせていた。