寂しがり屋には愛情を。

「はぁ……。」


「どうしたんですか?溜め息なんかついて。」



いつもの自販機の前、カフェオレを取り出しながらおっきな溜め息。

思うのは凌ちゃんサンのこと。



会長くんに目撃されてしまった。



「会長くんじゃないか。なんでもないよ、ちょっとお腹空いちゃってさ。」


「その割に深刻そうな顔してましたけど。」


「センセーにとっては死活問題よそれ。」


「そうですか、それは失礼。」



クスクス笑いを隠そうともしない会長くん。


笑うと目元が優しくなるね。



「今日はあのお馬鹿さんたちは一緒じゃないんですか?」


「今日はお休みなの。さすがに毎日じゃ嫌になると思ってさ。」




今まで勉強を遠ざけてた奴に急に詰めこもうとしても逆効果だ。



「そうですか。…なら、少し先生の時間を頂いても良いですか?」


「ん?うんいいよ?」


会長くんとお話とか楽しそうだな!




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