寂しがり屋には愛情を。

「そんなこと、ないよ。」


「いえ、顔が言ってますよ?
君は優しい王子様じゃなかったの?って。」



にっこりと笑っているはずなのにやっぱり目は冷たい。



きれいな愛想笑いに寒気がする。



「どうしたんですか?固まっちゃって。」


正面から伸びてきた手が頬に触れる。



ビクッ


不意に感じた冷たい体温に思わず肩が跳ねる。



冷たい悲しい瞳。
目が逸らせない。



スルスルと輪郭をなぞるきれいな指は冷たい。



「…何も、言わないんですね。怖いですか?オレが。」




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