初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
Ⅰ・ボーイズ・レンタル・ラバークラブ
「ごめん…、俺、君の事、
そんな風に見た事、ないから……」
彼は私に目を合わせる事もなく、迷惑そうに顔を歪ませたままポツリと言った。
春の風が優しく頬を撫でる放課後の中庭。
私、桜井杏奈は
今まさに
人生最大の壁にぶつかっていた。
中等部の入学式のあの日から
四年間もの間
私の心の支えだった、
原田君に対する恋心を
失う瞬間が
とうとう、やってきたのだ。
< 1 / 251 >