初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
Ⅵ・その先にあるもの
「おはよ、柊。
昨日は楽しかった?
突然消えるから、放課後の定例議会、うまくやっといたよ」
「あ…、わり。忘れてた」
次の日。
校門横で挨拶をしている合間に千尋に言われて思い出す。
……定例議会…。
完全に頭から抜け落ちていた。
「会長、おはようございます」
「あっ…ああ、おはよう」
「おはようございます」
「おはよう」
ツンツンと隣から千尋が肘で俺を小突いてくる。
「何だよ」
「会長、笑顔、忘れてます」
チッと舌打ちをして彼を見るとわざとらしい程の完璧なスマイルで通学生徒を迎えている。