初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
「…あ…」
中津は千尋の問いかけに反論する余裕もない。
「ね、中津さん。
今回に限って許してあげるよ。
ね、…冗談だったんだろ?」
カタカタ震えながら中津は最後の強がりを見せる。
「あ…当たり前じゃない。
冗談に決まってるわ」
千尋はその言葉にニコッと笑ってみせる。
「そ?良かった。
だけど…ちょっと笑えなかったな。
もっと楽しい事を言わないと。ね?」
「え…ええ、そうね。
ごめんなさい」
ニコニコ笑う千尋の横を通って中津は凄い勢いで駈けて行った。