初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
「………」
……あれ?
質問終了か?
ふと顔を上げて杏奈の方を見る。
彼女はまた顔中を涙で濡らしていた。
「う…ふぇ…」
「杏奈…」
「ばがぁぁ~」
俺は彼女にそっと近付いて行き、手のひらで涙を拭った。
「ぶっ」
…笑っちゃいけない。
いけないんだけど…。
「あはははっ」
「何よっっ!?」
頬に軽くキスをしてから彼女を抱き締める。
小さな身体は寒さか、怒りか…小刻みに揺れている。
「ブス」
「ブスじゃないっっ!!
可愛い!!」
「………うん。可愛い」
「……バカぁ。……嫌い」
「……俺は、好きだけど?」
「バカぁ」