初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
この集まりが生徒会執行部、なのね…。
生徒総会でアイドルコンサート状態になるのも頷ける。
ぼんやり、唖然とする私に一人の男子が突然声を張り上げた。
「ちょっと君!!用がないなら退室して下さい。
失礼ですよ」
は…っ。
「あ、…あ、すみません」
そのまま出て行こうとする私に向かって柊が声をかける。
「杏奈、待て。もう終わる」
「会長!何を」
柊はキロリとその男子を見ると言った。
「俺の彼女だ。しばらく待たせていいだろ。
杏奈、隅の椅子に座ってろ」
「え。そうなんですか」
その男子は不思議そうな顔で私の上から下までを丹念に凝視している。
……悪かったわね。不釣り合いで。
だけど……彼女…って…。
涼しい顔で宣言しちゃったよ、カレ…。
嬉しい…けど、明日あたり学園中大騒ぎだろうな。