初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~

俺がキュッと抱き締めると腕の中で彼女がもぞもぞする。

「…苦しいよ」

自分から来たくせに相変わらず我が儘だ。

ふわりと腕を緩めて彼女の顔の高さに低く身体を屈め、目を合わせる。

すると、彼女の大きな瞳がそっと閉じられ、顔を前にスッとせり出してくる。

……キスしろ、って言ってんだろうな。


「……」

俺は何もしないでそのまま杏奈の顔を見つめた。







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