初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
「まあまあ、杏奈、落ち着いて。
大丈夫?」
光太が下がり気味の眉を更に困った様に下げて私の頭をポンポン、と優しく叩きながら言う。
「…でもさあ、私は、変に優しくされるより、冷たく言ってくれて、返って良かったじゃんって思うけど。
その方が……新しい恋に…進みやすいしさ」
由依が言った一言に光太がピクリと肩を揺らす。
「お前…、何言ってんだよ。
杏奈が一番悲しい時に。
次の事なんて考えてる余裕があるかよ」
「あら、女はね、いつだって恋していないと駄目なものなのよ。
男よりも案外、強くてしたたかなのよ?
ね、杏奈。
早く忘れて、恋しましょーね。
失恋には新しい男よ」
「…お前なぁ」