初めての恋の甘い誘惑~レンタル彼氏は学園王子~
「…何?…その言い方。気に入らねぇな。
俺がどうしたいだって?
…ユーザーはお前だろ。
お前はどうして欲しいんだよ」
「…!」
自分から言えと言いながら、更に聞き返してくる。
意地悪で性悪な、歪んだ誘惑。
だけど、…言うしかない。
だって……欲しいから。
……どうしようもなく。
「……キス…して」
私の言った一言に彼はニヤリと魅惑的に微笑む。
「…そんなにしてほしいのか。
しょうがねぇなぁ……」
彼は満足そうにそう言ってから、スッと目を閉じた。
そして……優しく唇が重なってくる。
柔らかく優しい感触に意識が遠のいていく。
今…私が、キスしているのは…、
学園プリンスの結城柊…なんだわ。
みんなのアイドルをそっと独り占めしているこの事実が…、嬉しくない訳がない。