俺と君の物語
どうしてこうなった
俺ーー佐伯義信は今、途方にくれていた。

時刻は朝の七時。

眠い目を擦りながら起きた矢先の出来事だった。

あるはずの無いものが俺の隣にあった。

頭の中は疑問符で埋め尽くされている。

なんで?

働かない頭で考えてみるが全く答えは出てこない。

「……寝ぼけてるんだな。そうに違いない。」

現実逃避気味に自分に言い聞かせ、少しでも状況が変わってくれることを祈り布団を抜け出す。

「まったく、俺もどうかしてるよ」

洗面所に行き念入りに顔を洗う。

もしかしたらただの幻覚で戻ったら煙のように消えているかも。

そんな淡い期待を持ちながら。

「よし!」
< 1 / 12 >

この作品をシェア

pagetop