サクラドロップス
宣言通りパキパキと仕事を終わらせて
ふくふくと咲き誇る桜の花に複雑な思いを抱きつつ、アタシは家路を急いだ。
朝電車から眺めた桜の老木は、もう8分咲き位になっていて
遠くからでも控えめなやわらかい香りが漂ってきそうな気がした。
帰宅ラッシュ前に電車から降りて商店街に入る前に空を見ると
まだ藍色にはなっていない優しいキャンバスに、たくさんの星と、白い月が浮かんでいた。
夜の闇を静かに照らす月に見守られ
サラサラと雪のように舞い散る
花びら 花びら・・・
アタシのココロにも浮かぶ
泣きそうなほど綺麗で
悲しい光景------
はやく、部屋に帰ろう。
そうしてツバサくんと、たくさん話そう。
アタシ、女子力上がったんだってヨ?
ねぇ
誰のせい・・・?