サクラドロップス
「そ?ボクはユキさんの子供みたいけどなぁ。きっと可愛いよ、ボクみたく」

卵を割りいれる手を止めて、ツバサくん。

「・・・?どうして、アタシの子供がツバサくんに似ているの?」

アタシの頭は、バカになってしまったらしく回線が繋がらない。

cpuを補強しなくちゃイケナイのは、安藤ではなくアタシの方だ。

「なんでって、ナイこともなくナイ?」

クスクスと笑いながら、ツバサくんは菜箸で卵をほぐしていく。

「アタシの子供がツバサくんに似る可能性が??」

アタシはツバサくんの背中にすがりついたまま、玉子焼きを作るのを邪魔している。

「うん、2人の子供だったら」

「2人の子供だったら??」

「うん。なんか解ってないみたいだけど。ユキさん、卵4個 に対して出汁40ccに、みりん15cc 、薄口正油10ccネ。卵はちゃんとしたの使ってくれる?高いやつね、小さいけど、味が全然違うから。あ、甘いのがすきだったら、みりんじゃなくて砂糖でもいいし」


「・・・・・・」

「聞いてる、ユキさん?材料は混ぜすぎないで、サックリとね、サックリと、これ重要だから」

「誰と、誰の子供がツバサくんに似てるの?」

アタシ・・・やっぱりバカになったのかしら。

会話の流れに、ついていけないんだけど。
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