サクラドロップス
「え!ユキさぁん!オレに愛妻弁当作って来てくれたんですか!?ついに想いが通じちゃった!?やった!毎日告白してた甲斐があった!!ね、結婚式いつにします?あ!それとも籍だけ先に入れちゃいますか?ちょっと待って下さいね、今、大安吉日を・・・」
「待て待て待て」
「ハイ?ユキさんそーゆーの気にしないタイプでしたっけ?なら、オレもいーや。ばーちゃんがウルサイだけだから。ユキさんに合わせまーす!何なら今日でもイイよ!仕事帰りに役所へgo!」
「アンタ、ばか?」
まったく安藤には困ったもんだ。
冗談だかからかってんのか知らないけど、ほぼ毎日のようにスキだの付き合ってくれだの・・・いい加減やめてほしい。
大体婚姻届けだけじゃ役所に受け取ってもらえないっつーの。
アタシは飲み終わったカップを洗いながら、安藤を睨む。
「えー、利口ではナイですね!でもユキさんの為なら勉強しまーす」
「そーじゃなくて!アレはアタシのお弁当!」
「だから、オレへの愛妻弁当?」
「違うから。アタシの為のお弁当って意味!!結婚なんかしないし!!やめてよ勝手に盛り上がんの。ほら、そろそろ始業時間。席について書類の確認!」