サクラドロップス

「アタシ・・・アタシね、頑張る。もっと、もっと・・・お母さんに笑ってもらえるように頑張る。いつか、ちゃんとすきな人作って・・・お母さんに、孫の顔・・・見せられるように、頑張るから・・・」


と、言って、10年ぶりに、母の胸に顔を埋めて泣いた。


「ユキ・・・?」

「アユミにも、もっとやさしく・・・して、部屋に、光、入れて、空気の入れ替えも、ちゃんとして・・・でも、まだ、仕事も頑張りたいの・・・でね?アタシ・・・もう少し・・・もう少しだけ、イツキを・・・」


と、アタシのこの言葉で

母は全てを理解したらしく、ホロホロと涙を零し・・・


「ユキ、ユキちゃん!ごめん・・・お母さん、ごめんね?ユキちゃんのこと・・・思ってたつもりだったのに・・・お母さん、逆のことばっかり、して、しまって・・・ごめん、ごめんね?」


と、言って、強く・・・息が出来ないくらいに強く、アタシのことを抱きしめた。


「ユキ姉・・・?思い、出したの?」

いつの間にか、アユミの顔も涙でグシャグシャになっており


それからアタシたちは、3人で抱き合って

少し、泣いた・・・






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