サクラドロップス

午後になり来賓室でのお茶だしが終わって給湯室に戻ると・・・


「あ、ユキさん!オハヨウゴザ・・・あ、いえ、コンニチハ!!」


安藤がアタシの真似をして、給湯室でコーヒーを飲んでいた。


けれど、アタシのまだ少しだけ浮腫んだ顔に気付くと・・・


「・・・ユキさん、オレ、余計なこと言ってたら無視して下さいネ。もしかして具合、悪いです?それとも、サクラちゃんに、何か・・・?」


と、言って、コーヒーカップをステンレス製のシンクに、コトリと置いた。


アタシは、安藤の顔を見ずに・・・

『別に・・・何もないわよ?』

と、言ってトレイを置くと、自分の席についた。


『やっぱり、安藤は犬なのよネ』


なんて、思いながら・・・




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