サクラドロップス
「そっか。そーゆーのって、イイと思うよ、アタシ」
アタシはイツキに、教えてもらったんだケドね。
「え?ユキさん、それはオレを・・・」
「すきになったりはしていないから安心シテ?」
「・・・いーです。慣れてます。でも・・・」
「・・・?」
「オレはずっと、ユキさんのこと、すきですから」
「安藤、アタシには・・・」
・・・アタシには、いるの。
だいすきな、イツキが。
「ええ、ユキさんに誰か、大切なひとがいるのは、さすがにオレも気付きました。けど、アナタを、想っていることすらいけませんか?もう決して、強引な真似は・・・しませんから」
コトリと、湯のみを机に置いて、安藤はまっすぐにアタシを見た。
やわらかなイツキとは違う、強い、瞳で。
アタシもそっと机に湯のみを戻す。
アタシ・・・アタシは・・・
「オレ、もうほんっと、ヤバイ位ユキさんに惚れてるんです。全然相手にされてないの、解ってます。オレがユキさんのタイプじゃないことも。でも、ゴメンナサイ。諦め、られないんです。そう簡単にすきな気持ちを、失くすことは出来ない」
・・・それは、アタシがイツキに抱いている感情と同じ。