サクラドロップス
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それから一週間が過ぎ
アタシは毎日イツキを思って泣きながらも
少しずつ、イツキがアタシにしてくれたことを実行に移していた。
朝起きて、窓を開けて空気の入れ替えをして
身支度をすませてからお弁当を作る。
・・・お弁当作りって、夜に下準備をしておくと楽だったのネ。
なんとアタシはそれを、イツキが冷蔵庫の中に残しておいてくれた、お惣菜とその上のメモ書きで知り、今更ながらに実践中。
と、言っても今日は日曜日だから、パキラに霧吹きで水をあげてから、ベランダで日光浴を。
アタシではなく、もちろん、また新たに新芽を増やしたパキラのネ?
ベランダに出ると、一週間前よりも風は暖かくなり、大分春の陽気に近付いてきたようだ。
残念なことに眼下の桜の花はほぼ散ってしまったけれど
住宅街の花壇には可愛いチューリップたちが顔をほころばせはじめていた。
桜は散り、チューリップが笑顔になり
イツキが『生きてる』と言ったパキラはますます元気になり
日々は、確実に動き、イツキがいたことを『過去』にしようとしている。
でも
アタシの中にちゃんと、イツキは、いて。
イツキの教えてくれたことを守ることで
アタシは、彼と一緒に『今』を生きている。