サクラドロップス

給湯室には安藤とエリカちゃんの他に、新人のオンナノコが顔を出すようになり

1.5メートル四方のその場所は少し窮屈になってきたので・・・

『安藤、アンタ邪魔なのよ』

と、言ったら、彼は豆柴のアンコが怒られた時のような顔をした。


その仕種を見たら

・・・不覚にも胸がキュンとしてしまった。

何だかやな感じだ。アタシ、変な趣味があったのかしら。


夜、エリカちゃんの失恋話を聞く為に久しぶりに飲みにいく。

ほんと、半年振りくらい。




・・・で、何故か。

『エリカちゃんを送ってあげるべきでしょう』

と、言うアタシの言うことを聞かず

安藤は今アタシと同じ電車に乗っている。


・・・何がいけなかったのかしら。


安藤のモモちゃんの話を聞いてる振りをしながら、深く、考えてしまうアタシなの。




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