サクラドロップス
「安藤うるさい!アタシの部屋はもうすぐそこなの!ふざけたこと言ってないで帰ってよ」
「ふざけたことは言ってません。願望は言ってますケド。あ、マジで襲ったりしませんってば、今夜のところは。ユキさんが許してくれない限り」
「ばばば、ばかなこと言ってんじゃないわよ!アタシ安藤のことなんか全然ホントにまったく、それこそ微塵も想ってないんだからね!!」
少し歩調を速めながら、アタシ。
「ユキさーん、マジで転びますよー」
「うるさい!」
「別に大きな声は出してないです。どっちかってゆーとユキさんの声の方が大きかったり・・・」
「もう、アンタが話すこと自体がウルサイんだってばぁ!」
「はは。ゴメンナサイ。酔ってるってことで、許してクダサイ」
・・・ウソつき。
もう酔いなんて、とっくに醒めているクセに。
「で、これも酔ってるってことで、聞いてクダサイ」
「・・・・・・」
急に安藤の口調が変わったので、アタシは、びくっとして立ち止まり、思わず振り返ってしまう。
すると安藤は、クスっと笑って。