サクラドロップス
「やっべぇ、信用ねーや、オレ」
と、言ってから
「前々から機会があったら言おうと思ってたんですケド・・・ミユキさんって呼んでも、イイですか?オレ」
と、続けて
・・・呆然とするアタシの右手に、そっと、触れた。
商店街のアーケードの隙間
覗くのは
あの夜イツキと歩いた時は見えなかった
綺麗な綺麗な、まぁるい満月。
戸惑うアタシの髪を
まるで慈しむような、やさしい風が
やわらかな香りを残して、撫でていった------