サクラドロップス

「まあね、ツキ兄は特別だよね。で、安藤さんのどこがイイの?確かに、性格イイし。見た目も、そこそこカッコイイけど。あの身長の高さはポイントだよネ。ユキ姉の隣に立っても決まる」

アタシの髪の生花を直しながら、アユミ。

アユミは薬学部を出て、大学からの希望通りに、実家の側にある大学病院で働いている。結婚するなら医者がイイなぁとか、打算的なことを考える花の20代。


「・・・・・・犬なところ」

アユミの台詞に答えるアタシ。

「・・・ユキ姉、どうなのかな、それ」

「いろんなカタチの愛があるのよ」

「ふーん、深いんだね」

「深いわねぇ」

なんて言って、また2人でクスクスと笑う。


と、そこに・・・

「ユキちゃん、ブーケ届いた。ドレスと合わせてみて?」

母が、白と黄色のフリージアで出来たブーケを持って控え室に入ってきた。


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