サクラドロップス

「おっし!終了ー!ユキさんは休んでていーよ?大好きなテレビでも見てて。ボクは明日のお弁当の下ごしらえと、それ終わったらゴミ出しの準備しちゃうからサ」

最後のお皿を拭いたまま、ボンヤリとしてしまったアタシの肩を、ポンポンとツバメくんが叩いた。

「・・・あ、うん。アリガト」

「?ユキさん、疲れてんの?もし何だったら、今夜はもうお風呂入って休んだら?イイよねここんち。24時間風呂。さすが高給取り」

「はは。ツバメくん囲うくらいはねー」

アタシはそう言ってエプロン(これもどこにあったんだか、ツバメくんが見つけてきた)を外すと、アップにしていた髪を下ろして手櫛でほぐした。

一日が終わると、少しだけ首が張る。

アタシは首をくるくると回してから、コキコキと鳴らした。

それを見た、ツバメくん。

「オトコマエ過ぎ」

「ツバメくんが可愛すぎ」

軽口を叩き合って、クスクスと笑うアタシたち。

「んじゃひとっ風呂浴びてくっかなー」

「うん。ご希望があればお背中流しにイキマス。ご主人サマ」

「ヤダそんなの・・・って!!!イラナイわよ!何言ってんのよ!!!大人からかうんじゃありませーん!!!」

ちょっと!ほんとにもう、このコ!どうにかしてよ!


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