サクラドロップス
「ユキさん、ユキさぁん。ダメですってば こんな所で寝ちゃあ。今の時期に外で寝たら、風邪ひく位じゃすみませんよ!凍死ですよ。と・お・し!!!」
「うるさい安藤。年下のクセに指図するな」
「じゃあ年上なんだからしっかりして下さいよ。大体もう学生じゃないんだから、自分のアルコールの限界値くらい解るでしょ?カワイイひとだなぁ」
「誰が年増だってぇ?」
「言ってません!そんなこと!!!」
・・・会社の送別会の帰り。
店から出て、少し歩いた歩道の隅で
街路樹に すがりつきながら
そんな会話を
ついさっきまで、していたような気がする。
・・・なのに。
目が醒めて、瞼を開けたら
そこには
いつもの、見慣れた天井があった------