サクラドロップス
けれど。
たった二日。
他人との距離が近くなっただけで
アタシはまた、心につまらない傷を作り、その痛みを思い出す。
やっぱり、失敗だったかな・・・
ツバサくんとの・・・
と、ゴミ袋を抱えたままで立ちつくしていると。
「ユキさん!やっぱそのゴミ、ボク出しとくし」
と、言う声と共に、勢いよく玄関の扉が開いた。
「うぎゃん!!」
驚いて、たじろぐアタシ。
危うく顔面を強打するトコロだわ。
「え?なんで一歩も動いてないの?ってか、うぎゃんはやめよーよ、きゃあ!とか言っといた方がイイって。こういうシーンでは」
クスクス笑って、また妙に大人びた顔で、アタシを見つめるツバサくん。
アタシは思わず。
「人の悲鳴訂正する前にゴメンナサイでしょー!!」
と、言って、笑ってしまった。
「え?ああ、ぶつかるトコロだった?ゴメンゴメン。ユキさんの綺麗な顔に傷がつかなくて良かったよネ?」
「調子イイわよ!そんなコト思ってもいないクセに」
「思ってるってば。ユキさんの顔がタイプだって言ったでしょ?ってかサ、会社遅れるから。もう行って?ゴミ預かる。身長小さくてもオトコだから。こういうのはボクの役目でしょ?」