サクラドロップス
エリカちゃんの『相談』は、お約束の恋愛ごとで。
アタシは恋に一生懸命な彼女を、可愛いと思ったり、少しだけ、うらやましく思ってみたり。
恋愛至上主義に生きて来なかったから。
ある意味、彼女の話を聞くのが、新鮮で、時間がある時なら、興味深くさえ、ある。(まあ今は始業時間前で、あまり時間があるとは言えないのだけど)
「って訳でぇ、昨日はホテル代も、エリ持ちだったんですよぉ?これって、ユキ姉ならどう思いますぅ?」
・・・その時ある方が払えばイイと思う。
と、アタシなら思うけど。
「・・・まぁ、エリカちゃんとしては、あまり気持ち良くない訳よネ?」
と、彼女へのフォローの言葉を告げる。
なのに、エリカちゃんは。
「やだ、ユキ姉のエッチ!!!良くナイ訳じゃ、ないんですけどぉ・・・」
とか言って、バシバシと、アタシのあまり豊かではナイ胸を叩いた。
・・・脂肪が少ないと痛いのよエリカちゃん、アナタと違って・・・と、思ったけれど、それはアタシの名誉にかけて口には出さず心にしまっておく。
と、そこに。
「ユキさぁん!オハヨウゴザイマス!!今日も素敵です!スレンダーなボディにパンツスーツがめっちゃ似合ってマス!ってコトで、本日ランチデートしませんか!!!勿論オレ持ちで!!!」
と、空気を読まない安藤が入って来た。