サクラドロップス

「オハヨ。わるい。アタシ、今日もお弁当持ち」

と、アタシ。

「マジですかユキさん。最近家庭料理に目覚めちゃいました?もしかしてオレとの将来を考えて?ちなみにオレは結婚しても家庭に入れとか言いませんから!家事も分担するし。あ、でもユキさんの料理は食べたいかなーなんて・・・」

と、アタシより高い位置から、キラキラと鬱陶しい視線を送ってくる安藤。

「別に目覚めてないし、将来も考えてないし?ちなみにアタシは誰とも結婚する予定はないし、アンタに料理食べさせる義理もないわ」

ニッコリと笑って、安藤の期待に満ちた瞳が失望に変わるのを見つめるアタシ。

「えー!まぁた思わせぶりですか!ショックですよぅ!!!」

・・・いじける安藤はやっぱり少し可愛い。

時々しばワンコみたいに撫でくり回したくなるけど、調子に乗られると困るので、それは秘密の方向で。

「あのー、安藤さぁん。ユキ姉の代わりに、エリがご一緒したら、ダメですかあ?」

いつの間にアタシから手を離したのか、安藤に上目遣いをするエリカちゃん。

エリカちゃんはちっちゃくて可愛い。アタシより20センチも身長が低い。

安藤はアタシより10センチ高いので、この2人が付き合うと30センチの身長差がある恋人同士になる訳だ。

なかなかお似合いじゃないの?

なんて・・・
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