サクラドロップス
身支度チェック!
ととと、とりあえず。
ブラもショーツもストッキングも脱いだ形跡ナシ。
theoryの新作のパンツスーツが皺になったけど、そんなのはどうでもヨシ。
ね、念の為ダストボックスもチェック
・・・見て『それ』と解る『ブツ』は・・・ナシ。
お・・・okかな?
じりじりとアタシは布団から抜け出して、ベッドの隅に腰を下ろすと、やっとハッキリしてきたアタマで昨夜の記憶をサルベージ。
・・・が、会社の後輩の安藤に絡んだ後の記憶は深海の底に消えていた。
「アンタ、誰よ」
もう一度、今度はどもらずに、年上の威厳を込めてアタシはソイツをビシッと睨んだ。
「・・・おっそ!反応おっそ!やばくない?」
オトコ(って言うよりオトコノコかも)は、アタシの慌てる素振りを見て、ケタケタと笑い出した。
笑うと眉が下がって、なんだか泣いているようにも見える。
改めて見てみると随分と可愛い。カッコイイと言うよりも『可愛い』だ。色白だし、華奢だし、オンナノコと言っても通りそう。