サクラドロップス
・・・と、のん気に観察をしている場合ではない。
念の為に、あの『確認』だけはしなくては。
大丈夫、きっとナイ。
このコとアタシの間には何もナイ。
ナイ筈だ。
・・・ナイって言ってくれ誰か・・・
だってだってこのコ、下手したら十代じゃない?
別にマジメに生きて来た訳じゃないけど、この年で犯罪者にはなりたくない。
まだ安藤と間違い起こした方が、お酒って怖いわねぇ・・・で、立ち直れる。
アタシはワシワシと両手で髪を掻いた。
昨日の居酒屋の匂いが髪からもれて気持ち悪い。
ああ、アタシ、こんなに酒弱かったかな。
年のせいとは思いたくない。まだ、年のせいだとは。
アタシは首を振ると、パシパシと両手で頬を叩いた。
・・・聞かなくちゃ。