サクラドロップス
「・・・あのさ。単刀直入に聞くけども」
いつのまにかテーブルの上に並べられた、ほうれん草のおひたしと豆腐と車麩のお味噌汁の優しい香りにクラクラしながら
アタシはベッドから降りて、歩いて三歩程の距離を這いずるようにしてダイニングのソファーへともたれこんだ。
そして入れかわるように、サクラがアタシの這い出した布団の中へともぐっていく。
これは、サクラとアタシの、毎朝の行動パターンだ。
いつもの二日酔いに、いつものサクラとアタシ。
いつもの見慣れた狭い部屋。
その中でひとつだけ違うのは
今キッチンから、いそいそとお茶(しかもこの匂いはアタシの大好きな梅昆布茶。昆布の切れ端入り)を運んでテーブルに湯のみと急須を置き
当たり前のように、アタシの目の前に腰を下ろした
この可愛いオトコノコが『いる』と、いうこと。