神様に見捨てられた世界で生きる僕ら
意を決して本人に聞いてみることにした。
聞かれた千夜は、キョトンとあたしを見つめた。
すると暫し目をシパシパと瞬かせた彼は、さっきとまた同じ笑みを浮かべ、
「ちなみと一緒に居れっから!」
「・・・・・・へ?」
「だから、ちなみと一緒に居れるから!!」
「・・・うん」
「待ってる間、独りで居たら・・・"色"が無くなったんだよ」
「見るもの全てが、白黒になっちまって、飽きた」
「だけど、ちなみが来た瞬間、」
「"色"があった」
だから、俺、機嫌が良いみたいだ。
始終、千夜は笑顔で語っていた。
恥じることもなく、
只只、嬉しそうに、
微かに紅く染まった顔で語っていた。
勿論、あたしの顔も紅くなったのは
言うまでもなく。
だけど、
丁度外灯のない、
月明かりだけが照らす道で、
良かったと思った。