神様に見捨てられた世界で生きる僕ら
「ちなみ?」
「・・・圭?何してるの、家の前で」
「そろそろバイトから帰ってくるだろうって、お袋が夜食持ってけって・・・おかえりっ」
「そうなんだ、ありがと。あと、ただいま。・・・何なら上がってってよ」
「それよりも・・・なぁ・・・・・・其奴、誰?」
「ぇ?」
あれからコンビニに寄り、実は夕飯を食べていないという千夜とアンマンを半分に分けて帰路を歩いた。
すると、自宅に近づくにつれて、塀に誰かより掛かっているのが解った。
アッチも、段々と近づくあたし達に気付いたのか、顔を此方に向け、あたしの名前を呼ぶ。
その声の人物が、幼馴染みの物だと気がついて、早足で相手の元まで行き尋ねた。
すると、偶におばさんがバイト終わりにくれる差し入れを持ってきてくれたらしい。
だが、圭の意識はあたしの後ろに居る、
千夜に行ってしまったようだ。
それも、仕方のないことだろう。
人嫌いなあたしが、圭達一家以外と過ごす事なんて、
天地がひっくり返っても有り得ない事だから。
圭は、あたしを背に隠し一歩前に出て、此方を不思議そうに見ている千夜へと向き直る。
「ちょ、圭?!」
「ちなみは黙ってろ。お前、誰だよ」
「あのねっ、圭!彼はね・・・」